園の特色FEATURS
歯のお話し
気になる幼児期の歯についてのQ&A
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若竹学園園医がお答えします
若竹学園では「むし歯ゼロ」作戦として子どもたちのむし歯予防事業に積極的に取り組んでおります。歯についての疑問や不安なことを園医の田中恵理先生がよくある内容についてお答えします。
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歯科医田中恵理 先生
篭原若竹幼稚園卒園生
明海大学病院矯正歯科所属
日本歯科大学新潟生命歯学部卒業
明海大学病院矯正歯科勤務
グッティー歯科クリニック国済寺 副院長 -
グッティー歯科クリニック国済寺〒366-0033 深谷市国済寺335-10
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Q.子どもの歯がグラグラしてきたら、受診して歯医者さんで抜いてもらった方がいいですか?
子どもの歯がしっかりしているのに大人の歯がはえてきてしまった場合はどうでしょう?子どもの歯がグラグラしてきた場合、お子さまが自分で揺らして遊んだりして、無理なく自然に抜けるようであれば、歯医者さんで抜かなくても、そのまま様子をみていただいて構いません。しかし、子どもの歯の横からおとなの歯が出てきてしまっている場合や、左右の歯で見比べてみて、歯の生えかわりに左右差があるような場合は、子どもの歯からおとなの歯への生えかわりが上手くできていない可能性があります。子どもの歯の根っこが一部残ってしまっていたり、後から生えかわるはずのおとなの歯が生まれつき欠損していたりする場合もあります。そのような場合は早目に一度歯医者さんでみてもらうことをお勧めします。
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Q.指しゃぶりの癖があるのですが、今後、歯並びに影響しますか?
赤ちゃんにとって指しゃぶりは、離乳食が食べられるようになるためのとても大事なトレーニングです。1歳頃の指しゃぶりはまったく気にすることはありません。心配せずにやらせてあげましょう。ただし、3歳を過ぎた頃も続いていると、歯が指に押されて出っ歯になったり、前歯のあたりの顎の骨の成長が邪魔されて開咬(前歯がとじない状態)になるなどの問題が起きることがあります。無理にやめさせようとすると逆効果になることが多いので、ほめたり、励ましたりしながら指しゃぶりをやめたいという意欲をもたせることが大切です。なかなかやめられず、不正咬合が心配な時は歯医者さんで一度相談しましょう。
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Q.親が歯並びが悪いので気になっています。乳幼児のうちから気をつける予防策はありますか?
矯正治療を受ける患者さんで、歯並びが悪くなっている原因として、顎が小さく、歯が大きいので歯が並びきらず、ガチャガチャになってしまっているという状態が多く見受けられます。顎の骨格のバランス(上顎がでている・下顎がでているなど)、歯の大きさ等は遺伝的な要素が強いことは確かです。お父さんお母さんが歯並びが悪いと、お子さまも歯並びが悪くなる可能性は高いですが、まだ顎の成長がある幼児のうちから、柔らかいものばかりではなく、固いものをしっかりよく咬んで食べる習慣を身につけ、顎に適度な刺激を与えてあげることで、顎の発達が豊かになるという報告はあります。今のうちから、よく咬んで食べることを習慣づけるようにしましょう。
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Q.顎が小さく、乳歯が隙間無くはえているの ですが、大人の歯の歯並びは悪くなりますか?何か予防策はありますか?
子どもの歯は2歳半から3歳くらいで完成し、きれいに並びます。その後5歳くらいになると体の成長とともに顎が大きく育ちます。すると、子どもの歯と歯の間に隙間がでてきます。じつはこの隙間は大きな永久歯が生えてきたときに、きれいに並ぶための大切なスペースになります。顎がしっかりと発育したお子さまには、このスペースがしっかりと確保されます。ところが、近頃はこのスペースの備えがないまま永久歯が生えかわる時期に突入してしまうお子さまが目立ちます。咬まずに食べられる柔らかいものが増え、顎の小さいお子さまが増えていることが原因として挙げられます。上記質問でも述べましたが、まだ顎の成長がある幼児のうちから、柔らかいものばかりではなく、固いものをしっかりよく咬んで食べる習慣を身につけましょう。
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Q.下の歯が上の歯より前にあり、不正咬合のような気がします。大人の歯になったら自然に正常位置になりますか?
反対に咬んでいる状態にもよります。子どもの歯の受け口の何割かは、前歯が大人の歯に生えかわる時に自然に治る場合もあります。受け口の度合いが大きい場合、お父さん、お母さんが受け口である場合等は自然に治らない場合が多いと思っていただいたほうがよいと思います。手遅れになる前に、子どもの歯が生えそろった頃から始められる治療もありますし、遅くとも、前歯が大人の歯に生えかわる頃には一度歯科医院を受診し、相談しましょう。
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Q.歯磨き粉を嫌がるのですが、水だけで磨いても大丈夫ですか?
歯磨き粉は発砲剤や研磨剤が含まれているものが多く、歯磨きの最初から使用すると、ついつい磨けた気分になってしまったりします。理想的には、歯磨き粉をつけずにしっかりと歯の表面にブラシをあてた後に、仕上げで、フッ素配合の歯磨き粉をごく少量で良いので使用すると良いと思います。
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Q.フッ素剤は使った方が良いのでしょうか?
フッ素配合の歯磨き粉には様々な味のものがありますので、嫌がってしまうお子さまには好きな味を選んで使用すると嫌がられず効果的です。また、それでも嫌がってしまうお子さまの場合は、ジェル状のフッ素剤や、フッ化物洗口液なども歯科医院で販売していますので、歯磨きの後に、ジェル状のフッ素剤を少し塗ってあげるか、洗口剤で30秒程うがいをすると、効果的です。
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Q.キシリトールタブレットなどは与える必要が ありますか? 安全性も気になります。
フッ素は歯の再石灰化(歯が溶けかけた時に修復してくれる力)を促進し、歯の結晶を硬くし、抗菌作用もあるので、むし歯予防にとても効果的です。海外ではフッ化物を経口摂取する全身応用を積極的にとりいれている国もありますが、日本では、局所応用に留まっています。小さな頃からフッ化物を積極的に全身応用することで、胃腸で吸収され、血液によって運ばれたフッ素によって、形成中の歯が硬く丈夫に育つといわれています。しかし、摂りすぎると副作用があり、斑状歯(歯の表面の白い白濁が強くなった歯)ができたりします。フッ素配合歯磨き粉を使用し、フッ化物ジェルを塗り、フッ化物洗口して、定期的に歯医者さんでフッ化物歯面塗布を受けても、副作用の心配はまずありません。日本でのフッ化物利用は局所応用にとどまっており、アメリカやオーストラリアなどのように水道水等にフッ素が配合されているわけではないので、フッ化物のタブレットをお子さまに与えても過剰摂取とはなりえませんが、タブレットは積極的に与えなくても局所応用だけでむし歯予防には十分であると考えます。
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Q.歯磨き前に眠ってしまった場合は、無理にでも磨いた方が良いでしょうか? また、出先で食後やおやつの後、すぐに歯磨きできないときに何かいい方法はありますか?
歯を磨かずに寝ることが2晩、3晩続いたとしても、むし歯が極端に増えたり、口腔内環境が急激に悪化したりということはないと思いますが、歯を磨かずに寝ることが習慣化しないように気をつけてください。寝ているところを無理やり起こして歯磨きしようとしても機嫌が悪く、歯磨きどころではないことが多々あるので、できれば眠くなる前のご機嫌な時に歯磨きを済ませておく習慣を身につけましょう。また、出先で歯が磨けない時などは、食事の後にお茶や麦茶を与えるようにし、お水でぶくぶくうがいをすることで多少の口腔内の食べかす、汚れ等はおとせます。また、キシリトール入りのタブレットなどを与えると、口の中の酸性状態を中和してくれる唾液の分泌を助ける働きもあるのでおすすめです。
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Q.歯ぎしりをする癖があります。歯並びなどに影響しますか?また、やめさせる方法はありますか?
10歳以下のお子さまの場合、3~4割程度の割合で歯ぎしりをしていると言われているのであまり心配しすぎなくても大丈夫です。特にこどもの歯からおとなの歯に生えかわる4~6歳頃の時期には歯ぎしりをすることが増えてきます。この頃は成長に伴って顎が大きくなり、歯の噛み合わせが悪くなるので、歯ぎしりをすることで咬み合わせのバランスを調整しています。ただし、おとなの歯に生えかわった後も歯ぎしりが続く場合、歯がすり減ってしまったり、歯の神経に炎症を起こしたりする危険性もあるので、マウスピースを装着した方が良い場合もあります。
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Q.お箸やお皿など、大人と共有するとむし歯菌などがうつって良くないと聞いたことがありますが本当ですか?
むし歯はむし歯菌による感染症です。ご存知の通り、周囲の人から赤ちゃんにうつります。感染源は、約75%が母親といわれています。赤ちゃんのお口に歯が生え始めた頃に、まとまった量のむし歯菌が入ると歯にはりついて定着しやすくなります。じつはこの最初のむし歯菌がどこから入ってくるかが重要になってきます。お口が清潔で穏やかなむし歯菌を持っている人から少量もらうのか、それとも、凶悪なむし歯菌がいてむし歯で苦労している方から多量にもらうか、これによって将来むし歯になりにくくなったり、そうでなかったりします。むし歯菌はとてもポピュラーな常在菌なので、感染しないですむことはまずありませんし、徹底的に感染を防ごうとすると、あれもだめ、これもだめと、かなりのストレスになるので、スキンシップを制限するよりも、お子さまの歯が生え始める前に、感染源であるお父さん、お母さんがむし歯を治し、よくケアしてむし歯菌を減らしましょう。