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緊急時の若竹

万一に備えて教職員へのマニュアル
2011年3月11日の東日本大震災で被災された方々、亡くなられた方々に心から弔意とお見舞いを申し上げます。

東日本大震災における実際の避難活動を通して、普段からの避難訓練、緊急時の対応マニュアルの重要性を実感しました。若竹では、この対応マニュアルに加えて、保健安全委員会が各園に設置され、日々の遊具・備品類の安全点検、月に一度の総合点検、年に一度の業者のマニュアルに基づく総合診断を実施しています。加えて、ノロウイルスなどの感染症の予防および発生時の対応、熱性けいれん、アレルギーなどの園児に対する対応などについての勉強会、講習会を定期的に実施し、万一に備えて教職員用の緊急マニュアルを整備しています。

3月11日。そのときの若竹学園
大震災当日、若竹のそれぞれの園では、震災直後、揺れの大きいうちは担任の指示に基づき、園内にいる園児たちはテーブルの下にもぐって揺れが収まるのを待ちました。同時に、地震で窓が開けられなくなることを憂慮して、ドアや窓ガラスの一部を開け、脱出ルートを確保しました。揺れがある程度おさまり、避難路の安全が確保されていることを確認できた時点で、担任の引率でグラウンドに避難、保育園の乳幼児たちは緊急避難用のベビーカーを利用するなどしました。一方、外遊びをしていた園児たちは担任の指示で、予め決めた待機場所に誘導されました。それぞれの担任は待機場所に集合後に点呼を取り、全員の避難が確認されたことを、主任を通じて管理者に報告しました。大きな揺れにビックリした園児たちも先生方の誘導で落ち着いて冷静に行動できていました。これも、避難誘導マニュアルにのっとり、定期的に実施されている避難訓練の賜物と感じております。しかしながら、外に避難していても強い余震が続いているため室内に戻るタイミングが非常に難しいのが今回の地震の特徴でした。原則として、外での待機が指示されましたが、軽装で脱出したため三月上旬の寒さで長時間外にいることには限界もありました。トイレに行きたい園児もでてきたため、預かり保育および保育園の園児はすぐに避難できる準備態勢をして室内待機にしました。電車を含めた交通網がマヒしているとの情報と電話・メール連絡ができない状況で、予定の時間にお迎えに来られない保護者さまが出てくることを想定して、給食センターに夜食の準備を指示しました。保護者さま以外の方がお迎えの場合、その身分と事情をよく確認してからのお帰りになりました。また、自宅が園の近くの先生方にも夕方に一度帰宅を促し、家族と自宅の状況を確認した後、保護者がお迎えに来ることができない園児たちのケアのために戻るように伝えました。ほとんどの園児が夜10時ごろまでには帰宅しましたが、園に泊った園児も全園で何人かいました。この地震で学んだことは、園児たちを整然と避難させるためには、教職員が冷静・沈着な言動をとることが最重要ということです。パニックになっても不思議ではない状況下で、園児たちは実に落ち着いていました。夕方から夜遅くなって一人また一人と友だちが帰っていくなかでも、電車が止まっているためにパパ・ママのお迎えが遅れることを先生方が事前に説明していたことと、何よりも大好きな先生、友だちが一緒にいてくれたことが大きな安心につながったと思われます。第三学期で集団生活に慣れてきた頃だったのも落ち着いた行動ができた要因のひとつでしょう。加えて学んだことは、津波に襲われた人々が高台に逃れたように、いざという時の避難通路と園庭という大きな避難場所の必要性です。建物が崩壊する危険がある状況下で、建物と建物との隙間や、電柱や看板が落下する危険性がある公道は非常に危険です。幸い、若竹では広いグランドが避難・待機場所として確保されていることが大きな安心につながりました。もし、大きな災害時に避難する場所、待機する場所がなく、乳幼児が公道を通って近くの公園などに避難することを想像すると寒気がします。備えあれば憂いなし。まさに今回の地震が教えてくれた教訓でした。
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